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2026年5月、グローバル人材の求職者動向〜GW明けにクリエイティブ・営業が急増、IT関連は前年比16.8%増と強固なDX需要を反映

ヒューマンリソシア株式会社が運営するバイリンガル転職サービス「Daijob.com」は、2026年5月のグローバル人材の動向をまとめた「Daijob.com求職者動向レポート」を発表いたしました。

なお、2026年4月の「Daijob.com求職者動向レポート」、下記URLで公表しています。

2026年4月、グローバル人材の求職者動向?新年度の「二極化」鮮明に。IT関連・エグゼクティブ層が牽引する一方、サービス・教育系は反動減?

グローバル人材動向について:ここで指すグローバル人材とは、Daijob.comに登録しており、英語・日本語ともにビジネスレベル以上の言語能力を持つ人たちです。この対象者の中で、特定の期間中に「応募履歴がある」または「スカウトメールに興味を示した」ユーザーの動向を分析しています。


【主なトピック】

  • 前月比分析:クリエイティブや営業が大幅増、金融やエグゼクティブは一時減少
  • 前年同月比分析:IT関連が16.8%増と市場を牽引、語学・教育系は長期的な減少トレンドが継続

前月比分析:クリエイティブや営業が大幅増、金融やエグゼクティブは一時減少

2026年5月度の前月比データでは、ゴールデンウィークという大型連休を挟んだことで、求職者の行動に極めて明確な濃淡が現れました。

最も高い伸び率を記録したのはクリエイティブ職で、前月比19.6%増と急調。次いで営業職が前月比15.0%増と二桁の力強い成長を見せました。また、バックオフィスを支えるアドミン系も9.0%増、市場のコアであるIT関連も7.6%増と順調に求職者数を伸ばしています。

一方で、大幅な減少に転じた職種も目立ちます。特に金融/保険/不動産系は前月比-20.5%と最大の落ち込みを記録。さらにエグゼクティブ/経営職が-17.3%、コンサルティング職が-10.7%と、高年収のハイクラス・専門職層において求職活動が一時的に「静観」へとシフトする傾向が顕著に確認されました。

2026年5月の「求職者数」動向比較(前月比)
2026年5月の「求職者数」動向比較(前月比)

前年同月比分析:IT関連が16.8%増と市場を牽引、語学・教育系は長期的な減少トレンドが継続

2026年5月度の前年同月比データを俯瞰すると、単月レベルのノイズに左右されない、労働市場の構造的なシフトが鮮明に浮かび上がります。

最も強固なマクロトレンドを示しているのはIT関連職種であり、前年同月比16.8%増と、絶対数・成長率ともに他の追随を許さない独走状態を維持しています。これに連動するようにクリエイティブ職種も前年比9.8%増、さらにインバウンドの恩恵を受けるサービス・リテール系職種が9.3%増と、長期的な需要拡大に呼応する形で求職者が増加しています。

反面、長期的な地殻変動として深刻な落ち込みを見せているのが教育/トレーニング/語学系で、前年同月比-29.9%と約3割の大幅な減少を記録しました。また、アドミン系が-18.9%、コンサルティングが-18.5%、営業が-13.0%となっており、定型業務の自動化やグローバル営業に求められる要件の高度化により、一般的なバイリンガル人材の流動性が前年と比較して大きく抑制されている現状が浮き彫りとなっています。

2026年5月の「求職者数」動向比較(前年同月比)
2026年5月の「求職者数」動向比較(前年同月比)

考察:マクロ経済と心理的要因が交錯する2026年5月の求職者動向:DXの深化とハイクラス層の戦略的待機

2026年5月のグローバル人材労働市場は、前月比における短期的な心理変動と、前年同月比における構造的なパラダイムシフトが複雑に絡み合う極めて興味深い結果となりました。日本企業が直面する「DXの本格実装」、歴史的な「賃上げとインフレ」の定着、そして「インバウンド需要の爆発」というマクロ経済環境を踏まえ、このデータの背景にある本質的な動きを詳細に考察します。

1. ゴールデンウィーク明けの心理的変化と「キャリア再定義」の波(季節要因)

5月という時期は、日本の雇用慣行において極めて特殊な精神的節目となります。4月の新年度入りに伴う組織改編や人事異動が一巡し、新しい環境への適応が進む中で、すぐにゴールデンウィークという大型連休を迎えるためです。この長期休暇は、日々の業務に追われるビジネスパーソンにとって、自身のキャリアや現職での処遇を客観的に見つめ直す重要な「内省の期間」として機能します。

特に前月比でクリエイティブ(19.6%増)や営業(15.0%増)が急増した背景には、このGW期間中に職務経歴書をブラッシュアップし、連休明けに一斉に求職活動を開始したという求職者の心理的動向が強く影響しています。「このままの環境でキャリアを消費していいのだろうか」という現状への危機感や、より自身のグローバルスキルを高く評価してくれる企業へチャレンジしたいという意欲が、連休中の自己分析を通じて具現化した結果と言えます。

一方で、5月は「五月病」に代表されるように、環境変化への疲れから一時的にモチベーションが低下する層も存在しますが、バイリンガル人材をはじめとする能動的なグローバル人材においては、むしろこの時期を「自発的なキャリア形成の契機」として捉え、積極的に市場へと流入する傾向が強いことがデータから読み取れます。

2. 「2025年の崖」を越えた攻めのDX:IT・クリエイティブ職の同時伸長(市場トレンド)

前年同月比でIT関連が16.8%増と圧倒的な伸びを示し、前月比でもクリエイティブ(19.6%増)とIT関連(7.6%増)が揃って増加している現象は、現代の経済市場における最大の潮流である「DX(デジタルトランスフォーメーション)の第2ステージへの移行」を完璧に反映しています。

経済産業省がかつて警鐘を鳴らしていた「2025年の崖」というタイムリミットを越えた2026年現在、多くの企業は単なる老朽化システムの刷新(守りのDX)を終え、デジタル技術を活用して新たな顧客体験(CX)や新規ビジネスモデルを創出する「攻めのDX」へと完全に舵を切っています。これに伴い、システムを構築するITエンジニア(インフラ、AI、データサイエンティスト等)だけでなく、ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)を洗練させ、プロダクトの価値を最大化するクリエイティブ人材の需要が爆発的に高まっています。

求職者側もこうした市場の強い引き合い(旺盛な求人需要とそれに伴う提示年収の上昇、特に生成AI等の先進技術への投資拡大)を敏感に察知しており、「今こそ市場価値を高める転職の好機」であると判断して動いています。特にグローバル環境におけるDX推進は、海外市場との連携やオフショア開発のマネジメントなど、バイリンガルITスキルの希少価値が極めて高いため、求職者の動きが活発化しやすい土壌があります。

3. 営業職における「前月比増・前年比減」のパラドックス:求められるスキルの高精度化(市場トレンド・経済状況)

営業職において、前月比では15.0%増と急増しているにもかかわらず、前年同月比では-13.0%と減少しているという「パラドックス(逆説的な動き)」は、グローバル営業職に求められる要件のドラスティックな構造変化を示しています。

前月比での一時的な増加は、GW明けの短期的な転職意欲の高まりによるものですが、前年比での二桁減少は、従来の「単に英語ができるだけの一般営業」の市場価値が低下し、求職者側が安易に動けなくなっている、あるいは市場から淘汰されつつある現状を物語っています。2026年の日本経済は、3年連続の大幅な賃上げが実施される一方で、原材料費やエネルギー価格の高騰によるインフレが継続しており、企業は人件費への投資に対して極めてシビアになっています。

そのため、単に既製品を右から左へ販売するだけの営業ではなく、顧客の経営課題を深く理解し、デジタルソリューションや付加価値の高い提案ができる「ソリューション型営業」や、外資系企業を中心に必須となっている「カスタマーサクセス」へのシフトが急務となっています。求職者側も、自身のスキルが現在の高度な市場要求(高いビジネス英語力+専門知識+ITリテラシー)にマッチしているかを見極める必要があり、結果として長期的な求職者数は前年を下回る水準で推移していると考えられます。

4. エグゼクティブ・コンサル・金融職の減少が示す「夏の賞与・中長期戦略待ち」の戦略的待機(季節要因・マクロ経済)

前月比において、金融/保険/不動産系(-20.5%)、エグゼクティブ/経営(-17.3%)、コンサルティング(-10.7%)といったハイクラスおよび高度専門職の求職者が軒並み大幅な減少を見せたことは、マクロ経済の動向と極めて合理的に連動しています。

これらの職種は、一般的に年収水準が高く、転職にあたってはインセンティブやボーナスの支給時期、あるいは企業の決算(3月末)直後の評価確定タイミングを強く意識します。5月という時期は、春の評価や賞与が確定し、次なる「夏のボーナス(6月?7月支給)」を間近に控えた、いわば谷間の時期にあたります。ハイクラス人材ほど、目先の感情で動くことはせず、現職でのボーナスを確実に受給した上で、あるいは夏以降に企業が提示する新たな中長期戦略やプロジェクトの全容を見極めてから動くという「戦略的待機」を選択している可能性が高いと言えます。

また、2026年のマクロ経済において、日銀の金融政策の変更に伴う金利上昇局面への移行など、金融・不動産市場は非常に不確実性が高まっています。この不確実性の中で、当事者である金融・不動産系人材やコンサルタントが「今は現職に留まり、市場の動向を静観すべき」というリスク回避の姿勢を強めていることも、この大幅な前月比減少を裏付ける強力な要因となっています。

5.インバウンド爆発とサービス・リテール系の底堅い労働需要(経済状況・インバウンド)

前年同月比でサービス・リテール系が9.3%増(281人から307人)と着実な伸びを示している背景には、2026年に入っても衰えるどころか加速し続ける「インバウンド(訪日外国人観光客)需要の爆発」があります。

歴史的な円安基調の定着や国際航空路線の完全復活により、日本の観光・小売・飲食市場は世界中から押し寄せる富裕層を含む観光客で活況を呈しています。これに伴い、外資系高級ホテル、免税店、グローバルブランドのブティックなどでは、複数言語を操り高品位な接客ができるバイリンガル人材の争奪戦が激化しています。企業側が提示する時給や年収水準の大幅な引き上げ(サービス業における賃上げトレンドの浸透)は、サービス・リテール系で働くグローバル人材にとって強力な転職モチベーション(現職への不満と新天地への期待)となっており、これが前年比での求職者数増加というデータになって現れています。

かつては低賃金労働のイメージが強かったサービス職ですが、グローバル対応力を持つ人材に関しては「専門職」としての評価が完全に確立されつつあり、より良い労働条件を求めて市場を流動する動きが完全に定着していると言えます。

まとめ

2026年5月の求職者動向レポートは、マクロな構造変化(IT・クリエイティブ・サービスへのシフト)と、ミクロな季節要因(GW明けの流動性とハイクラス層の静観)が鮮明に現れた結果となりました。

  • 企業への提言:
    IT・クリエイティブ職の獲得競争は今後も激化の一途をたどります。これらの人材を惹きつけるためには、単に提示年収を上げるだけでなく、リモートワークや副業の許容といった柔軟な働き方の提示、そして「攻めのDX」に挑戦できる魅力的なプロジェクト環境の提示が不可欠です。また、5月に一時減少したエグゼクティブやコンサルティングなどのハイクラス層は、夏の賞与支給(6?7月)直後に再び動き出す可能性が極めて高いため、今からタレントプールを構築し、ダイレクトリクルーティングやエージェントへの仕込みを行うことが採用成功の鍵となります。
  • 求職者への提言:
    市場は「高い語学力」だけでなく「高度な専門スキル」を掛け合わせたグローバル人材を強く求めています。前月比で増加した営業やアドミン系においては、単なる事務処理能力や日常会話レベルの語学力ではなく、ITツールを使いこなす能力や、ビジネスのデジタル化に対応できるリスキリングの成果が厳しく問われます。夏の賞与時期や秋の採用活発化の波を見据えて、今から自身の市場価値を客観的に棚卸しし、職務経歴書のブラッシュアップなど、戦略的な準備を進めることを推奨します。

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