
2026年6月、グローバル人材の求職者動向〜金融・不動産系が前年比約40%増と際立つ伸び、IT関連も堅調な中、汎用ホワイトカラー職種は縮小の二極化傾向へ〜
ヒューマンリソシア株式会社が運営するバイリンガル転職サービス「Daijob.com」は、2026年6月のグローバル人材の動向をまとめた「Daijob.com求職者動向レポート」を発表いたしました。
なお、2026年5月の「Daijob.com求職者動向レポート」、下記URLで公表しています。
2026年5月、グローバル人材の求職者動向〜GW明けにクリエイティブ・営業が急増、IT関連は前年比16.8%増と強固なDX需要を反映
グローバル人材動向について:ここで指すグローバル人材とは、Daijob.comに登録しており、英語・日本語ともにビジネスレベル以上の言語能力を持つ人たちです。この対象者の中で、特定の期間中に「応募履歴がある」または「スカウトメールに興味を示した」ユーザーの動向を分析しています。
【主なトピック】
- 前月比分析:金融・不動産系が24.6%増と急伸、ハイクラス層の流動性が高まる初夏
- 前年同月比分析:IT関連と金融系が牽引するも、他職種は軒並み減少傾向
前月比分析:金融・不動産系が24.6%増と急伸、ハイクラス層の流動性が高まる初夏
2026年6月の前月比データにおいては、職種によって求職者のアクティブ動向に明暗が分かれる結果となりました。最も顕著な伸びを示したのは金融/保険/不動産系(24.6%増)であり、初夏の転職市場において突出した動きを見せています。また、企業のマネジメント中枢を担うエグゼクティブ/経営(10.5%増)も二桁成長を記録しており、ハイクラス層の転職意欲が高まっていることが伺えます。
その他、ボリュームゾーンであるIT関連(3.2%増)や、コンサルティング(5.3%増)、サービス・リテール系(5.0%増)なども前月から手堅くプラスを維持しています。一方で、電機・機械(15.0%減)やクリエイティブ(16.7%減)は前月から減少に転じており、これらの専門現場職種においては一時的に市場への流出が抑制されている動向が見て取れます。
2026年6月の「求職者数」動向比較(前月比)

前年同月比分析:IT関連と金融系が牽引するも、他職種は軒並み減少傾向
長期的なトレンドを示す前年同月比(2025年6月対比)のデータでは、特定の成長職種への「一極集中」がより鮮明になっています。顕著なプラス成長を維持しているのは、金融/保険/不動産系(39.7%増)とIT関連(34.6%増)の2職種です。また、エグゼクティブ/経営(9.4%増)も前年実績を上回る推移を見せています。
しかし、これら以外のほぼすべての職種において、前年同月比でマイナスを記録する結果となりました。特に教育/トレーニング/語学系(20.9%減)や営業(18.8%減)、アドミン系(11.0%減)といった汎用的なホワイトカラー職種で減少が目立ちます。これは、企業側の採用要件が厳格化し、ポテンシャル層や語学力単体の人材よりも「即戦力となる専門スキル」を重視するトレンドが強まっている影響と考えられます。
2026年6月の「求職者数」動向比較(前年同月比)

考察:採用現場のトレンドから読み解く求職行動の背景
1. 夏季ボーナス支給と「キャリアの見直し」が重なる6月の心理トリガー
6月は多くの企業で夏季賞与(ボーナス)が支給される時期であり、求職者の心理が最も動きやすいタイミングです。特に金融系(前月比+24.6%)やエグゼクティブ層(前月比+10.5%)のように、提示年収に占めるインセンティブや賞与の割合が大きい職種ほど、「支給をしっかりと見届けてから次のアクションを起こす」という傾向が強く出ます。春先から水面下で情報収集をしていたハイクラス層が、6月を境にプラットフォーム上での活動を一気に顕在化させた形です。
2. プロジェクトの節目に伴う、職種ごとの「動く時期」のズレ
一方で、電機・機械(前月比-15.0%)やクリエイティブ(前月比-16.7%)が前月から減少している点は、業務サイクルとの連動が推測されます。これらの職種は四半期末(6月末)に向けてプロジェクトの納期や開発ラインの追い込みが重なりやすく、転職活動に割くリソースが一時的に低下する時期です。人事担当者としては、これらの職種が「減った」と捉えるよりは、「今は既存の現場で繁忙期を迎えており、次の中間決算期(9〜10月)に向けて再び動き出す前段階である」と捉えるのが現実的です。
3. IT・金融における「売り手市場」の継続と、求める要件の高度化
前年比でIT関連が34.6%増、金融系が39.7%増と高い水準にあるのは、企業からの旺盛な求人需要が求職者を刺激し続けているからです。ただし、現場の人事担当者から聞こえるのは「登録者は増えているが、自社が求めるレベルに合致する人材に巡り会えない」という声です。ITであれば単なる開発者ではなく「セキュリティやデータ基盤の構築経験者」、金融であれば「クロスボーダーの案件管理ができる人材」など、求める要件が一段とピンポイントになっており、求職者側もそれを察知して、自信のある層からアクティブに動いているトレンドが見て取れます。
4. 汎用ホワイトカラー職種の減少が意味する、企業の「採用厳格化」
営業(前年比-18.8%)やアドミン系(前年比-11.0%)、教育/語学系(前年比-20.9%)の長期的減少は、人事の採用スタンスの変化を強く反映しています。近年、多くの企業で定型業務の効率化やシステムの導入が進み、バックオフィスや語学講師の「純増枠」は絞り込まれる傾向にあります。求職者側も「ただ英語ができるだけ」「一般的な事務経験だけ」では転職活動が長期化することを感じ取っており、安易に市場に出ず、現職に留まりながら社内でのステップアップを模索する「慎重姿勢」に入っていると解釈できます。
まとめ
2026年6月のグローバル人材市場は、活発に動く「専門・ハイクラス層」と、慎重に見守る「汎用オフィス職種」との二極化が浮き彫りになりました。
- 企業への提言:
増加しているITや金融、エグゼクティブ層は、競合との獲得競争が激しい状態に変わりありません。優秀層を惹きつけるには、選考スピードの迅速化はもちろん、「入社後に任せる具体的なミッション」を明瞭に提示することが鍵となります。逆に減少している営業やアドミン系については、市場にいる「英語×+α(財務やデータスキルなど)」の複合スキルを持つ希少な人材を見逃さないよう、網を広げておく必要があります。 - 求職者への提言:
語学力という強みに加え、「どのような専門性(ドメイン)を持っているか」が厳しく問われる局面です。特にアドミンや営業領域の方は、自身の過去の実績を数値化し、企業に即戦力としてどう貢献できるかを具体的にアピールするポートフォリオの準備が、今後の転職成功の分かれ道となります。
2026年9月4日(金)には日本最大級のグローバル人材特化の転職フェア「Daijob キャリアフェア」が開催されます。
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