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2025年11月、グローバル人材の求職者動向〜年末の「戦略的待機」期間に突入、電機・機械のみ前月比増加

ヒューマングローバルタレント株式会社が運営するバイリンガル転職サービス「Daijob.com」は、2025年11月のグローバル人材の動向をまとめた「Daijob.com求職者動向レポート」を発表いたしました。秋の採用シーズンが本格化する中、市場がどのような変化を見せているのか、採用側・求職者側の双方にとって重要なデータをご提供します。

なお、10月の「Daijob.com求職者動向レポート」、下記URLで公表しています。

2025年10月、グローバル人材の求職者動向・IT関連で前年比30.1%と大幅増加

グローバル人材動向について:ここで指すグローバル人材とは、Daijob.comに登録しており、英語・日本語ともにビジネスレベル以上の言語能力を持つ人たちです。この対象者の中で、特定の期間中に「応募履歴がある」または「スカウトメールに興味を示した」ユーザーの動向を分析しています。


【主なトピック】

  • 前月比はIT・営業・金融系が大幅減少、年末の「待機期間」が鮮明に
  • 前年同月比はIT関連が32.5%増と高水準、営業・サービス系も大幅な伸び

前月比はIT・営業・金融系が大幅減少、年末の「待機期間」が鮮明に

2025年11月の求職者動向を前月(2025年10月)と比較すると、ほとんどの職種で応募活動が減少しました。これは、年末の季節要因による「戦略的待機期間」に入ったことを強く示唆しています。

金融/保険/不動産系(-26.0%)、営業(-19.9%)、コンサルティング(-16.1%)、アドミン系(-15.8%)など、幅広い職種で大幅な活動の減少が見られました。IT関連も前月比で15.4%減となり、前々月(9月)の急増が完全に一服した形です。

特異な動きを見せたのは電機・機械で、前月比25.4%増と、唯一目立った増加を記録しました。

2025年11月の「求職者数」動向比較(前月比)

2025年11月の「求職者数」動向比較(前月比)

前年同月比はIT関連が32.5%増と高水準、営業・サービス系も大幅な伸び

次に、2025年11月の求職者動向を前年(2024年11月)と比較します。前月比の減少にもかかわらず、長期的な成長トレンドが継続していることが確認できます。

IT関連は32.5%増と、全ての職種の中で最も高い伸びを記録し、グローバル人材のキャリア選択において揺るぎない人気を保っています。

また、営業(26.4%増)、サービス・リテール系(23.6%増)、マーケティング/PR(15.1%増)など、消費者接点を持つ職種や事業拡大に直結する分野でも強い成長が見られます。

一方、電機・機械(-3.4%)、教育/トレーニング/語学系(-11.6%)、クリエイティブ(-13.2%)は前年同月比で減少しました。

2025年11月の「求職者数」動向比較(前年同月比)

2025年11月の「求職者数」動向比較(前年同月比)


考察:市場は年末特有の「充電期間」へ、採用戦略の焦点は「年明け」へシフト

2025年11月のデータは、市場が年末の大きな季節要因に強く影響を受けていることを示しています。この動きを単なる「景気後退」として捉えるのではなく、グローバル人材市場特有の「充電期間」として分析することが重要です。

1. 季節要因と冬のボーナスの影響

11月は、日本の転職市場において、求職者が「冬のボーナス(12月)を受け取ってから退職・入社手続きを進めたい」と考えるため、最も応募活動が抑制される時期の一つです。特にIT、営業、金融など、高年収の職種ほど、その傾向が顕著に出ます。この大幅な前月比減少は、求職者が活動を「停止」したのではなく、「一時的に保留」し、企業との具体的な面談や条件交渉に備えている状態だと解釈できます。

2. 電機・機械の特異な増加とその背景

ほとんどの職種が減少する中で、電機・機械のみが25.4%増と急増しました。これは、以下のいずれか、または両方が影響している可能性があります。

  • 緊急性の高い専門人材確保: 他の職種と異なり、年内のプロジェクト完了や新技術開発の期限が迫っており、企業が11月にかけ、ターゲットを絞ったスカウトや募集を強化した結果、応募に繋がった。
  • IT人材の流入: 製造業におけるDX推進により、ITと機械のハイブリッドスキルを持つ人材への需要が非常に高まっており、活動を保留する層が少ない可能性がある。

3. 長期トレンドの継続:ITと事業推進職の強い需要

前月比で減少したIT関連や営業職も、前年同月比では25%以上の高い伸びを記録しています。これは、需要が一時的に後退したのではなく、長期的な視点ではグローバル人材の需要は依然として歴史的に高い水準にあることを示しています。

  • IT関連(32.5%増):AI、クラウド、セキュリティ分野への投資は止まっておらず、市場全体を牽引しています。
  • 営業・サービス系(25%前後増):インバウンド市場の回復と企業による海外事業への積極投資が、語学力を持つフロントラインの人材需要を押し上げています。

まとめ:企業が取るべき戦略的行動

11月は求職者が「待機」している期間ですが、企業にとっては「来年1月・2月の大規模な活動再開」に向けた準備期間です。

採用戦略の焦点を「応募数」から「候補者パイプラインの構築」に切り替え、年明けにスムーズに選考に入れるよう、12月中に接触を維持することが重要です。

求人情報には、来年以降の事業展望やポジションの独自性をより明確に記載し、熟慮期間にある求職者の関心を引きつけ続ける必要があります。

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