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【時事解説】5月実質賃金1.4%増も「手取り感」は不透明 + 正社員の賃上げ競争遅れによる離職リスク

2026年7月7日、厚生労働省が『毎月勤労統計調査 2026(令和8)年5月分結果速報』を公開しました
本記事は、公的機関の発表データを元に、HRClub編集部が人事実務への影響を独自に分析・解説したものです。

■ 30秒サマリー

  • 正社員給与の堅調な伸び
    一般労働者(正社員等)の現金給与総額は一人平均400,312円(前年同月比3.5%増)、所定内給与(基本給等)も351,163円(3.4%増)と力強く増加
  • 実質賃金はプラスに浮上
    物価上昇ペースの鈍化(持家除きCPI 1.7%上昇)を背景に、実質賃金は前年同月比1.4%増を記録
  • 総労働時間は減少
    一般労働者の総実労働時間は152.8時間(3.7%減)、所定外労働時間(残業)も12.6時間(3.1%減)へ縮小

■ HRインサイト:市場のゲームチェンジに乗り遅れるな

  1.  採用難易度:正社員の基本給(所定内給与)3.4%増が「最低ライン」に
    一般労働者の所定内給与は前年比3.4%増と力強い伸びを見せています。中途・新卒採用市場において、自社の提示年収やベースアップ実績がこの水準を下回っている場合、求職者の比較検討の土台にすら乗らない危険性があります。「提示年収の引き上げ」と「基本給への還元」はもはや必須の採用戦略です。

  2. 競合の動き:金融・情報通信・製造業などによる「正社員囲い込み」
    産業別に見ると、金融・保険業の所定内給与が9.9%増、情報通信業が5.6%増、製造業が3.0%増と、主要産業で正社員の待遇改善が顕著です。優秀な正社員層がこれらの高待遇業界へ流出する防衛策として、既存社員の昇給・ベースアップ体制の再構築が急務となっています。

  3. コスト/工数:残業抑制に伴う「時間あたり人件費単価」の急上昇
    一般労働者の所定外労働時間(残業時間)が3.1%減少している一方で、現金給与総額は3.5%増加しています。これは企業にとって「正社員の時間あたり労働コスト」が急激に高まっていることを意味します。単なる残業削減(工数削減)にとどまらず、限られた時間で高い付加価値を生む評価制度への刷新が求められます。
Daijob編集部

著者:HRClub 編集部

厚生労働省などの最新公的データや労働市場のトレンドを独自に分析・厳選し、多忙な人事・採用担当者が「1分で本質を理解し、明日の実務に活かせる」攻めのHRインサイトをお届けする専門編集チームです。 制度設計から採用戦略、組織開発まで、現場で本当に役立つノウハウや最新トピックを、客観的なファクトに基づきタイムリーに発信しています。

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