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【時事解説】賃金上昇率が33年ぶりの高水準へ。実質賃金のプラス転換で加速する「人材引き抜き」リスク

2026年3月9日、厚生労働省が、『毎月勤労統計調査 2026(令和8)年1月分結果速報』を公開しました。
本記事は、公的機関の発表データを元に、HRClub編集部が人事実務への影響を独自に分析・解説したものです。

■ 30秒サマリー

  • 名目賃金の急騰: きまって支給する給与が前年同月比3.0%増となり、約33年ぶりの高い伸びを記録。
  • 実質賃金がプラス転換: 消費者物価指数を上回る賃金上昇が実現し、13ヵ月ぶりに実質賃金がプラス(1.4%増)へ。
  • パートの時給も上昇継続: パートタイム労働者の時間当たり給与も1,447円(3.7%増)と55ヵ月連続でプラスを維持。

■ HRインサイト:実務への影響

今回の調査結果は、日本が長年抜け出せなかった「低賃金構造」から完全に脱却し、本格的な「賃金インフレ局面」に入ったことを示しています。人事が直視すべきは以下の3点です。

  1. 採用難易度の爆上がり: 所定内給与が過去最高の伸び(3.2%)を記録。中途採用市場における「提示年収の相場」が塗り替わりました。
  2. 競合による「年収釣り上げ」の激化: 実質賃金がプラスに転じたことで労働移動が活発化します。特に利益率の高い企業による「現年収+100万円以上」の引き抜き攻勢が強まるでしょう。
  3. 既存社員の離職コスト増: 世間の伸び(3.0%)を下回る昇給にとどまれば、エンゲージメント低下は避けられません。採用コストが高騰する今、既存社員の維持こそが最大のコスト削減です。

■ 今日からできる「次の一手」

最新の統計データを基に、自社の給与テーブルが「世の中の物価上昇率」に対応できているか再確認してください。

仮に「他社に負けない大幅な賃上げ」が今すぐ難しくても、手当の拡充や評価制度の見直しを検討していることを早期にアナウンスするだけで、社員の不安を払拭し、離職防止に繋がります。

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